子どもの嘔吐
嘔吐とは、食べ物などを含む胃の内容物が逆流して口から吐き出してしまう状態です。また、嘔吐物は胃の内容物以外にも、十二指腸や胆汁が混ざることがあります。
子どもが嘔吐してしまう原因には、ウイルス性の胃腸炎、咳込み嘔吐、胃食道逆流などが挙げられます。下痢を伴う嘔吐は大抵がウイルス性胃腸炎であり、特効薬のない状態ですが、嘔吐する回数が増えるほど脱水になる可能性が高まるため、受診が必要です。また、下痢を伴わない嘔吐の原因として、嘔吐反射が刺激されることによる咳込み嘔吐が挙げられます。咳込みの原因としてはR Sウイルス感染症、百日咳、気管支喘息発作、インフルエンザ、風邪症候群などが考えられます。
子どもが吐いたときの
観察ポイント
子どもが嘔吐した場合、下記の点を確認してください。
- 嘔吐を繰り返した回数
- 嘔吐とは別の症状の有無(腹痛や頭痛、下痢、発熱など)
- 食欲の有無
受診の目安
下記に示す症状がある場合、早めに病院にご相談ください。
- 嘔吐・下痢を繰り返す
- 6時間以上にわたって嘔吐を繰り返している
- 水分補給がままならず、口や唇が渇いている
- 汗がでない
- 呼吸が苦しそう
- 嘔吐のほかに、咳や発熱、発疹が起きている
- 顔の血色が悪くなり、元気がない
- 腹痛が起きている
救急外来の受診が必要な場合
下記に示す症状がある場合、救急外来の受診をお勧めします。
- 嘔吐物に血液や胆汁(緑色)が混入している
- 嘔吐のほかに、血便も出ている
- 頭部を打ってから24時間以内に嘔吐した
- 半日以上排尿できていない
- 舌が渇いていて、目が窪んでいる
- 嘔吐に伴って痙攣が起こり、意識がはっきりしていない
子どもの下痢
下痢とは、通常便よりも柔らかい便が排出される状態です。水様便(水のような便)が排出されるケースもあります。また、便意を催す回数が多くなります。原因は、ウイルス性胃腸炎が最多となります。ウイルスは、ノロウイルスやアデノウイルス、ロタウイルスなどが考えられます。
受診の目安
- 下痢に伴って腹痛が起こり、何度も嘔吐する
- 元気がない
- 血液が便に混入している
- 同じ食べ物を食べた方にも下痢が起きた
- 水分補給がままならず、半日以上排尿できていない
- 白色の下痢が出る(1歳未満の乳幼児の場合)
- 38℃以上の発熱を伴う
元気なのに下痢が続く時
子どもが元気なのにもかかわらず、下痢が繰り返し起きている場合、消化不良が最も疑われます。子どもは成人よりも消化能力が低いので、消化しにくい食材を過剰摂取した場合や、疲労により体力が低下している場合、ストレスがかかった場合などで消化不良になりやすいです。
基本的に、消化不良は時間の経過に伴って解消されていくため、緊急性のあるものではないです。元気があり、不快感なく日常生活を送れている場合、1週間程は経過を見て頂いて問題ありません。