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子どものADHD

ADHDは、日本語では「注意欠如多動性障害」と呼ばれ、発達障害の一種です。
不注意、多動性、衝動性の3つの特徴があり、幼稚園や保育所、学校、家庭などで周りに比べて幼く感じられたり、怪我が多かったりします。
上記の特徴のうち、多動性は年齢を重ねるにつれて落ち着いていくことが多いです。
発症頻度は5から10%程度で、男性の方が2倍程発症する可能性が高いです。
ADHDの症状
不注意症状
- 段取り良く物事を進められない
- 作業が雑になる
- 集中力が続かない
- 考え込んで、他の物事が疎かになる
- 忘れ物やなくしものが多い
- 整理整頓ができない
多動
- 授業中や食事中に歩き回ってしまう
- 場所を問わず走り回ってしまう
- いつも身体のどこかを動かす
- おしゃべりを止められない
衝動性
- 人の会話をさえぎって自分の話をする
- よくミスをする
- 順番を待つことができない
- 気になるものが目に入ると道路に飛び出してしまう
上記に示すような症状が小さな頃から見られ、家庭以外の学校などでも症状が起こり、学業・周囲との環境に支障が生じていることがはっきりしている場合、ADHDが疑われます。なお、ADHDの診断には他の疾患との鑑別診断も必要です。
成人では、全体の2.5%の方がADHDを患っていると考えられており、年齢を重ねるにつれてADHDの症状は気にならなくなることが分かります。成人後に症状が残るのは6~7割程度と考えられていますが、特性がなくなるわけではありません。
ADHDの管理目標
ADHDは他の発達障害同様、病気ではありません。なので治療する必要はありませんし、むしろその特性を強みとして活かしていけることもあります。ただ、集団生活においては難しさを感じたり、時には事故や事件に繋がってしまったりすることもあります。目標としては、家庭や学校生活を上手く送れるように導き、自分らしさの1つとして向き合えるようにすることです。結果、健全な愛着形成を導き、その子にあった学力を伸ばすことに繋がります。
最終目標
- 自尊心の形成
- ADHDの特性を考慮し、環境にスムーズに適応できる自分らしさの形成
- 年齢相当の社会生活への適応
症状を軽減させる薬物療法や療育によって、心理社会的治療や環境調整に対する意欲・効果の向上が見込まれ、目標を達成しやすくなるとされています。
また、ADHDのお子様を持つ保護者同士が集まって情報共有したり、ペアレントトレーニングを行ったりすることも重要です。
ADHDの原因
現時点で明確な原因は不明です。脳に部分的に起きた先天性障害が影響していることはほぼ間違いありませんが、その発生機序については分かっていません。
両親の育て方が原因ではありません。
大空こどもクリニックの発達相談

当院の発達外来の初診では、1時間の時間を確保しています。親御さんのお話をじっくりお伺いし、お子さんの様子を丁寧に観察いたします。診察が長引くことがありますので、お子さんのお気に入りのおもちゃをご持参ください。お子さんの出生時の状況や最近の家庭での様子について詳しくお聞きするため、お子さんの状況を最もよく理解している保護者の方とご来院ください。また、お子さんが集団生活をしている場合は、保育園の連絡ノート、学校の連絡帳、学校のテストなどをご持参ください。
発達障害にはADHDやASD以外にも様々な種類があり、家庭や学校で困難を感じる場合には、発達障害が隠れている可能性があります。例えば、学校に楽しく通っていて友達関係にも問題がないが、音読が非常に苦手で自分の書いた連絡帳の文字が読めない子が学習障害を抱えていることがあります。また、友達が多く学校生活に問題がないように見えても、実は先生の指示を十分に理解できず、学習面で遅れが出ている子が軽度発達遅滞でサポートが必要な場合もあります。似たように見える問題でも、原因が異なればサポートの方法も変わってきますので、このような場合は是非ご相談ください。また、不登校の子どもの中には発達障害を持っている場合もあります。不登校に関する相談も受け付けています。
子どもの発達をサポートすることは非常に重要です。小児科医として、成長を支えるだけでなく、その子が持っている可能性を最大限に引き出せるよう、発達のサポートにも全力で取り組みたいと考えています。子どもが医療機関で過ごす時間は限られているため、家庭や教育機関、福祉を含む行政との連携がとても重要です。その連携を少しでもお手伝いできればと思っています。
発達に関する相談となると緊張して「なんとなく行きづらい」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっとしたおしゃべりをする感覚でお気軽にご相談ください。
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